1)第1段 後半 要旨 願わしき、あらまほしき視線を、個々の人々に向けます。容貌・身なりの大切さ、心持ちのよさや愛嬌よきことの好もしさ。身分は固定ながら、心の賢さを求めるのは身分に関わらないと言い、無教養はよくなく、学識・教養を身に着け、宮中の諸事に明かるければ言うまでもないと語り、字が上手で声も良くてノリもよく、(酒を飲むのを)難儀そうにみせつつも下戸で無いような男はいい、などと述べます。 一読して感じるのは、兼好の眼差しの繊細さ、感性の鋭さです。立派そうに見えた人がそうでもなさそうな素振りに敏感に反応したり、本来はもっと丁寧に扱われるべき人が少し零落れて身分の低い人たちからも蔑ろに扱われて…