イタリア演劇学者、静岡文化芸術大学教授・副学長。1951年北海道士別市出身。1974年東京外国語大学イタリア語科卒、80年同大学院外国語学研究科ロマンス系言語専攻博士課程中退。イタリア・ナポリ東洋大学日本語学科講師、在イタリア日本大使館専門調査員、NHKテレビイタリア語会話講師、ローマ日本文化会館館長。1999年優れた翻訳劇に贈られる湯浅芳子賞受賞、イタリア共和国より「カヴァリエーレ・連帯の星」勲章を受章。
本当ならトレーニングなどしないでいられるなら、その方がよい。歌に限らず、自分が好きなもの、自分がよいと思うものばかりが世の中で成功したり認められているわけではないはずで、“なんじゃこれは”と思うものが流行ったりもする。であるなら取り合えず人前に出てみるべきだ。 歌とか声とか、何もしないでいきなり人からアドバイスを受ける類のものだと納得できるのだろうか?自分はとんでもないと思っていた。いろいろ売っている教則本のことを、読んでたまるがと思っていたほどだった。高い声だって叫びまくっていたら、人間の適応能力で何とかなると考えたこともあった。それで何回か実際に知らない人達の前で歌ってみて、少しずつ自分に…