神奈川県立歴史博物館で、律令制の時代を中心とする遺跡展が開催されている。律令制下での神奈川県は、西の地域が相模国、東が武蔵国であった。律令制では国の下部組織として郡が置かれた。相模国には8郡、武蔵国には22郡が設けられそのうちの3郡が現在の神奈川県に属していた。役所として、国には国衙が、郡には郡家が置かれた。また仏教による鎮護国家であったため、国には男性の僧のために国分僧寺が、女性の僧のために国分尼寺が、郡には郡寺が官寺として設けられた。 郡家としてよく知られていたのは長者原遺跡である。ここは武蔵国都筑郡の郡家跡である。残念ながら東名高速道路の開通に伴って遺跡の西半分は調査することなく破壊され…