こんにちは、この記事では、精神科医であり、依存症の専門家である松本俊彦さんの著書「誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論」を紹介します。この本は、松本さんが長年にわたって依存症の患者さんと向き合ってきた経験や思いを赤裸々に綴ったエッセイ集です。依存症という病いの本質や社会的背景、治療の難しさや可能性、そして医師としての使命や苦悩などについて、深く考えさせられる一冊です。この本を読んで私が感じたことは、以下のようなポイントです。 ・依存症の患者さんは、快楽を求めて薬物やアルコールに手を出すのではなく、心の苦痛を緩和するために依存するのだということ。松本さんは、患者さんの訴えに秘められた悲哀…