北米インディアンの悲史をたどることは、そのまま「アメリカ」の本質を、くもりのない目で見さだめることにほかならぬ。アメリカという国に好意を持つか反感を持つかなどという、生ぬるいことではない。「アメリカ」は果して可能か―― 古い本だが1冊100円で古本屋から買ってきた。これが凄い本だった。時系列で淡々とアメリカインディアンが白人から弾圧を受け、「滅んで」いったかが、客観的に書かれている。著者は、カナダ・アルバータ大学の核物理学の教授。 有名な話だが、最初にアメリカ大陸にやってきた白人種が厳しい冬を越せず、大半が飢え死にしていく状況にあって救いの手を差し伸べたのが、まさに白人種からいうところのアメリ…