編集者。1956年生まれ。東京都文京区出身。学習院大学理学部化学科卒。 平凡社「太陽」「別冊太陽」編集部、青人社「ドリブ」編集部、「日本こころの旅」編集長、「起業塾」編集発行人、悠々社「開業マガジン」編集発行人を経て、現在は有限会社悠々社代表。 全国の商工会、商工会議所で「創業塾」の講師をつとめるかたわら、書籍や雑誌の執筆に活躍している。
東海先生のあくなき分院構想 冨長 泰行 明浜への野福峠のトンネルを抜けると宇和海が一望できて心が洗われる思いだ。春にはつづら折りの道沿いに見事な桜が咲き誇る。遠くに戸島、日振島が一望できる。俵津から法華津湾岸を西に行けば、高山と大崎鼻には元ハンセン病患者の詩人塔和子さんの文学碑がある。ご本人が50年ぶりに里帰りした2007年の除幕式には私も稲葉峯雄さんらとともに参列した。 ところで1902(明治35)年に俵津に「東和病院」を開業した長崎東海先生(39歳)であるが、土佐時代同様に本院ー分院構想を常に抱いていた。着任時に既に宇和の山田村に「山田分院」の構想を持ち、土佐から山崎修斎医師を招いて年内に…