警視庁150年 32/150 事件の発生を伝える『産業経済新聞』 「オゝミステイク(ああ、しくじった)」 昭和25年、流行語となったこの言葉。「日大ギャング事件」とも呼ばれる事件で、逮捕された男が放ったとされる言葉だ。戦前派と全く違う価値観を持つ戦後派の若者らの無軌道ぶりを揶揄(やゆ)する「アプレゲール」犯罪として話題をさらった。 25年9月22日、白昼の都心・千代田区大手町で、現金を輸送する日本大会計課員の車が奪い取られる強盗事件が発生。大学職員百数名分の給与、現金190万円を銀行で引き出して大学に帰るところだった。 犯人は日大で運転手を務める男=当時(19)=だった。月刊思想誌『思想の科学…