● 前回、「美術」「芸術」に対して、ずっと抱いていた敷居の高さのようなものについて、少し触れました。せっかくなので、そのへんからもう少し、身近な問いをほどきながら続けてみます。 あらためて思い返してみれば、同じような敷居の高さ、距離感といったものは、そもそも「文学」に対してもありました。 なに言うとる、おまえ、かつて大学へ行こうと思った時に文学部志望しとったやろ、というツッコミが自分自身に即座に入るようなものですが、でもそれは、当時のケツの青い地方のボンクラ高校生だった自分にとって、正直まだ正体もよくわからない「大学」という場所に行こうと思った際、選ばねばならなくなった志望先として目の前に並ん…