冬濤や油禍への奉仕また日延べ冬田道きらりと過ぎし霊柩車*われ降りてあとは冬日を運ぶバス*冬日照るコリント柱郡役所物忘れ重ねて妻の冬日和息継ぎに弱気見せけり虎落笛 最初の句の油禍というのは、平成9年1月のナホトカ号重油流失事件でしょう。日本海沿岸に重油が流れ着き、各地でボランティアを含めて回収作業が行われました。この句は1月25日の発表です。 下から三つ目の句のコリント柱というのは、古代ギリシアのコリント式の柱なのでしょう。父が立ち寄りそうな場所としては、旧出石郡役所があり、現在は出石明治館という展示施設になっています。 最後の句の虎落(もがり)は竹で作った柵や竹垣のこと。それに木枯らしなどが吹…