Book Review 26-3ディストピア小説 #破滅の王 『#破滅の王』(上田早夕里著)を読んでみた。2003年小松左京賞を受賞し、2011年日本SF大賞受賞。18年には本書が第159回直木賞候補に。『#ヘーゼルの密書』、『#上海灯蛾』と併せて上海3部作と言われている。 第二次世界大戦下を舞台にしたテーマが「細菌兵器開発」である。満州と上海の租界地区を舞台に、1930年代末期から40年代半ばまでの約9年間のある日本人科学者が産み出した新種の「細菌兵器(Rv2:キングと呼ばれる細菌を貪食する細菌)」をめぐる歴史小説である。 #731部隊で悪名高い帝国陸軍軍医中将#石井四郎が登場する。関東軍防…