ケインズ『確率論』において提示された確率の論理説の見解を批判し、いわゆる主観説を主張したフランク・ラムジー「真理と確率」は、確率を個人の「部分的信念の度合い」という解釈の下で分析することで確率概念を位置づけ、人間の精神作用における論理性を形式論理に還元することの有用性の無視が合理性を捉え損なう恐れがあることを明らかにしている。ラムジーは、個人の信念の度合いとしての確率を「オッズ」として定量的に表現されたある量と操作主義的に結びつける解釈を行い、効用関数概念に接続可能なものとして捉えるわけだが、補論として書かれた「確率と部分的信念」では、若干そのトーンが落ちている。少なくとも、ケインズの確率の意…