タイトルのとおり、ここには大きな問いかけがある。私は、正直に言って、本書を読み終えた今でもなお、この問いにハッキリと答えられる自信はない。知識というより、資格という点で。厳しい本だが、受け取れるものは多い。 著者はここで、戦後の70年、1945年から2015年にかけての現代史を、沖縄から見た「被害と抵抗の歴史」として描いている。辺野古新基地の建設問題は、その総括だ。 著者の立場は明確である。沖縄は、差別されている。日本に、そしてアメリカに。それは歴史的な差別であり、構造的な差別である。これはなんとなく分かっていたことではあるし、ある種の言い方をするなら、とても「ベタな」語りなのだろう。だが、こ…