水の蘇州の花散る春を惜しむか柳がすすり泣く 昭和初年。 広大な中国大陸を後ろにひかえ国際都市として繁栄する上海。 そこは各国スパイが暗躍し犯罪シンジケートがしのぎを削る、東洋の魔都であった。 (森川久美「蘇州夜曲」) あたしは70~80年代の古い少女漫画を読むのが好きで集めてもいたが、実家の押し入れにしまい込むという保存状態の悪さからか本の劣化が進み、ある日、紙の黄ばみやシミを通り越し砂と化していた。 本が好きな割にちっとも大事にしない、とんだうつけである。 いかにもサバイバーなこの漫画本は、ちょっとAmazonで検索してみたら中古本が「2980円」の値がついていて、ビックリシタナモーである。…