レムコレクション第2期の最新刊は久山宏一訳「捜査」と柴田文乃訳「浴槽から発見された手記」のカップリング。 「捜査」はハヤカワ文庫から出ていた深見弾氏による翻訳、「浴槽」は深見弾氏の翻訳による集英社版ハードカヴァーと村手義治氏の翻訳によるサンリオ文庫版があったのだがいずれも廃刊になって久しく、とくに「浴槽」は一時は中古価格の相場が二万円超にもなったほどの貴重本だった。そういう意味で今回普通に読めるようになったのは大変歓迎すべきことである。…のだが、今前半の「捜査」を読み終わったところで愕然としている。というのは、正直言って大変翻訳が悪いのだ。日本語の小説になっていない。旧訳のほうがこの新訳よりも…