プロローグ:移行期医療の背景と西宮市での取り組み 移行期医療とは、小児期に発症した疾患や障害を持つ患者が、成人期の医療へ円滑に移行するための支援体制を指します。兵庫県及び西宮市では、令和8(2026)年度上期に開院予定の西宮総合医療センター(仮称)の設立と並行して、移行期医療の充実に向けた取り組みを進めてきました。しかし、移行期医療の課題は総合病院の完成だけでは解決しません。むしろ、地域医療との緊密な連携が不可欠です。この認識のもと、「西宮の(小児神経・筋疾患児)移行期医療を考える会」や尼崎市医師会主催の「尼崎市小児在宅・移行期医療研修会」などが開催され、地域全体で移行期医療の体制を整える方向…