故・星新一のショートショートの一篇。
一見、理想的に見える近未来社会の秘密を、皮肉な視点で描く。
新潮文庫「ボッコちゃん」収録。
筒井康隆のネット日記「笑犬楼大通り 偽文士日碌」2008年9月10日の記述によれば
(http://shokenro.jp/00000064)
星新一の娘で現在、星の著作権管理をしている星マリナは、 間瀬元朗の漫画で、2008年に映画化もされた「イキガミ」
を、同作品の盗作だと考えているという。
……星新一のお嬢さんの星マリナさんからメールが来た。星新一公式サイトのために書いた思い出話の礼状である。マリナさん、盗作問題で頭を痛めているらしい。小学館から出た間瀬元朗の「イキガミ」という漫画が星さんの「生活維持省」に酷似していて、しかもそれが今度は映画になるらしいのである。なんとかしてあげたいが、問題の「イキガミ」という漫画を見ていないので、何とも言えないのは残念なことだ…
matome 2008/10/13 04:33
ロバート・シルヴァーバーグ 「生と死の支配者」 (文庫) http://www.amazon.co.jp/gp/product/4150103321
> 2232年、地球人口が70億人に達したのを受け、国連組織『人口平均化施行局』が開設。 そして弱者に対する安楽死の執行を開始する(1957) Master of Life and Death, by Robert Silverberg 「Bureau of Population Equalization」 =「人口平均化省」「人口維持省」
●→ (1960) 星新一「生活維持省」主人公 Walton は省の職員。 省の指令に従い(弱者などをランダムに選び)安楽死を忠実に実行する。
●→ 星新一「生活維持省」も同じ。Walton is confronted by a great poet who begs for the life of his young son.
主人公(省の職員)に「自分の息子は見逃してくれ」と子供の親が懇願する。
●→ 星新一「生活維持省」も同じ。上の3点 【 ●→ 】 で要約したように、星新一「生活維持省」の設定・ストーリ展開が全て Silverberg 作品に見出される。
(最後の数行のオチだけ星新一オリジナル?)Silverberg「人口維持省」職員に「自分の子供は見逃してくれ」と親が懇願する場面と、
星新一「生活維持省」職員に「自分の子供は見逃してくれ」と親が懇願する場面も非常に似ています。(星新一短編では、この場面 (および、そこに至る準備) が、その短編の大半を占めている)
コンピュータが、毎日はじき出すターゲットの名前を、忠実に処理する「人口維持省」職員 Walton に親が懇願する。
焦燥しきったその親が言うには、子供が Happysleep該当者に選ばれたという。● (p.13) "The boy's perfectly sound, Mr. Walton. Couldn't you ---" 「元気に育っているんです。 お願いですから…」
星新一(翻案)短編: 「あれまで育ってきた、かわいいアリサを」 「せめて、あたしをかわりに。お願いです」
● (p.13) "I can't make exceptions, [...] you understand our program." 「例外は認められません。 この方針については、よくご存知のはずではありませんか。」
星新一(翻案)短編: 「それを聞きいれていたら、きりがありません。」 (「方針」について)「よくご存知のはずではありませんか。」
(※最初の指摘はおそらく http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-5e03.html のコメント欄と思われる)