今年も新聞社や通信社に新人記者が加わりました。配属先も決まって研修を受け、そろそろ実務に入ろうか、という人もいるのではないでしょうか。わたし自身はこの春で、マスメディアでジャーナリズムの仕事をしてきて40年になりました。現役の時間はとうに過ぎ、マスメディアの中で過ごす時間も先が見えています。わたしたちが先人から受け継ぎ、後続世代に伝えておきたいことを書いてみます。社会の情報流通やメディアを取り巻く環境がどれほど変わろうと、「組織ジャーナリズムの記者」という仕事の基本は変わるはずはありません。SNSの普及によって「だれもが情報発信」「だれでもジャーナリスト」と言われる時代ですが、そうであるからこ…