ミステリ評論家。著作に「怪奇・幻想ミステリ150選」「水面の星座 水底の宝石」。
1970年北海道生まれ、立教大学卒業。 1995年「終わらない伝言ゲーム――ゴシック・ミステリの系譜」で第二回創元推理評論賞を受賞。 2004年「水面の星座 水底の宝石」で第四回本格ミステリ大賞評論・研究部門を受賞。
密室ミステリーアンソロジー『密室大全』 (朝日文庫)作者:青柳 碧人,恩田 陸,貴志 祐介,中山 七里,東川 篤哉朝日新聞出版Amazon 収録作は以下。 「密室龍宮城」青柳碧人 「佳也子の屋根に雪ふりつむ」大山誠一郎 「ある映画の記憶」恩田陸 「歪んだ箱」貴志祐介 「要介護探偵の冒険」中山七里 「霧ヶ峰涼の屋上密室」東川篤哉 「密室荘」麻耶雄嵩 「招き猫対密室」若竹七海 比較的新しめ('90年代後半以降)の作品から、 バラエティ感あるセレクトになってる気がする。 近年の密室アンソロジーだと、照れがあるかのように、 斜め視点から選んだような作品が多いのが特徴だが(特に評論家の選出だと) 比較的…
『教室が、ひとりになるまで』 浅倉秋成 解説・千街晶之 角川文庫 令和3年1月25日 初版発行 令和5年5月15日 13版発行 北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「全員が仲のいい最高のクラス」で、なぜ__。 垣内友弘は、幼馴染みの同級生・白瀬美月から信じがたい話しを打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」 本書は学園ミステリであり、特殊設定ミステリでもある。 友弘らは決して名探偵ではなく、少し特殊な力(犯人探しには不似合い)で、特殊設定に沿った推理をし犯人を特定するが…… 本書の読みどころは、(私にとっては)謎解…
積んでた未読の『相棒』雑誌も、残り一冊。 『ダ・ヴィンチ 2014年6月号』-『相棒』大特集。 (2014年、KADOKAWA) 今更こんなことを言っても説得力ゼロだが、脚本が掲載されているものや休刊している『刑事マガジン』以外、極力雑誌は買わないようにしている。キリがないからだ。 だが、この『ダ・ヴィンチ』は別。 ハセベバクシンオーさんの書き下ろし小説が載っているから。 ブックオフオンラインでお気に入り登録をしてサイトに日参していたのだが、去年突然リストから消えた。登録している商品の取り扱いが終了すると、往々にしてこういうことが起こる。 そういうわけでメルカリで購入。 裏表紙はこんな感じ。 …
まだまだ読みます、『相棒』関連雑誌。 時は流れ、右京の相棒は亀山薫から神戸尊に。 まずはこちら、『刑事マガジン vol.8』(2009年、辰巳出版)-事実上の最終号。 ブックオフオンラインで購入。605円。 松本基弘 プロデューサー P28~30 放送中の『相棒 season8』についてのインタビュー。 ・<新相棒>神戸尊について。「及川さんには、以前、ゲストとして『相棒』に出ていただきたくて、お話ししたことがあった」 ・初登場がシーズン7の最終回スペシャルだったことについて。「そもそも及川さんはコンサートをやっている最中で、スケジュールの問題もあったんですが、そういう悪条件を逆手にとるのは得…
本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞候補作 2019年刊行作品。筆者の浅倉秋成(あさくらあきなり)は1989年生まれ。デビュー作は2012年に講談社BOX新人賞“Powers”にてPowersを受賞した『ノワール・レヴナント』。浅倉冬至の筆名で『進撃の巨人』のノベライズを手掛けたこともある。 本作『教室が、ひとりになるまで』は、2020年の本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞の候補作となっている。 角川文庫版は2021年に登場。解説は千街晶之(せんがいあきゆき)が担当している。表紙デザインが変わってしまってちょっと残念。単行本版は裏表紙に「あの人」がいる分、より雰囲気出ていたのになあ。 千街晶…
「総理になりたい」野心の果てに…柿沢未途容疑者 「この選挙で勝てば」と、はやる思いの「優等生」に起きたこと(東京新聞) - kojitakenの日記 「リクルート事件で起訴された藤波官房長官(中曽根内閣)」「リクルート事件で政治的謹慎に追い込まれ、謹慎中にガン病死した安倍晋太郎*1」等の大物政治家ならともかく「総理になりたい」は柿沢*2のハッタリで、さすがに本心ではないでしょうがそれはさておき。 自民党でも岸田文雄が好きなのは「人事」だとのことだが、いつも書く通り、人物の類型として岸田文雄と泉健太とは酷似している。あるいは同じ類型に共産党の志位和夫を加えても良いかもしれない。彼らに共通するのは…
朝ごはん( ^ω^ ) pic.twitter.com/oKwJuabHf5 — たかの朱美 (@gohan_takano) 2023年12月24日 晩ごはん( ^ω^ ) pic.twitter.com/8MugMNJRvf — たかの朱美 (@gohan_takano) 2023年12月25日 嵐山の中川発明堂にまた行って来た。だし巻き厚揚げライスバーガーやっぱりいい美味しい!😆今日こそは牛肉のしぐれ煮をトッピングするぞと思ったけど売り切れてた残念_(:3 」∠)_ここはカフェラテがホットもアイスも美味しい。 https://t.co/hOBY2CBICY pic.twitter.com/…
累計部数50万部突破の人気シリーズに 2021年刊行作品。青柳碧人(あおやぎあいと)による『むかしむかしあるところに、死体がありました。』に続く、日本の昔ばなしの世界を下敷きとした本格ミステリ短編集の第二弾である。ストーリー的な関係性はないので、シリーズのどの作品から読んでもオッケー。 双葉社の月刊小説誌「小説推理」に2020年~2021年にかけて掲載された作品をまとめたものである。 むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。 むかしむかしあるところに、死体がありました。 作者:青柳碧人 双葉社 Amazon 文庫版の帯によるとシリーズの累計部数が50万部を突破したとのこと。いつの間…
『ミステリマガジン』2024年1月号No.762【ミステリが読みたい!2024年版】 海外編のベストテンには興味のあるものがありませんでした。国内編の1位~3位『可燃物』米澤穂信、『君のクイズ』小川哲、『鵼の碑』京極夏彦はまだ読んでませんがいずれ読むつもり。12位『禁じられた館』ミシェル・エルベール&ウジェーヌ・ヴィルは、これまでまったく知られていなかった黄金時代のフランスミステリ。以前華文ミステリ特集のとき「涙を載せた弾丸」(→ここ)が掲載されていた「中国のディクスン・カー」孫沁文の長篇『厳冬之棺』がいつの間にか刊行されていたようです。華文ミステリからは、蔡駿『忘却の河』『幽霊ホテルからの手…
124.マーティン・エドワーズ『処刑台広場の女』(ハヤカワ・ミステリ文庫) →〈レイチェル・サヴァナク〉シリーズ第1作。解説は千街晶之。 125.ジョセフ・ノックス『トゥルー・クライム・ストーリー』(新潮文庫) →ノン・シリーズ長編。解説は千街晶之。処刑台広場の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:マーティン・エドワーズ早川書房Amazonトゥルー・クライム・ストーリー (新潮文庫 ノ 1-4)作者:ジョセフ・ノックス新潮社Amazon
『創元推理(10)』1995・秋号(東京創元社) 第六回鮎川哲也賞の受賞作発表号であり、大賞受賞者である北森鴻と佳作受賞者である佐々木俊介と村瀬継弥の短篇が掲載されています。また、創元推理評論賞の発表もおこなわれており、受賞者の千街晶之と佳作の田中博の評論も掲載されています。 「第六回鮎川哲也賞・第二回創元推理短編賞・第二回創元推理評論賞決定のお知らせ」 鮎川賞は北森鴻と佐々木俊介、短編賞は『推理短編六佳撰』、評論賞は千街晶之と田中博、何という豊作の年だったのでしょう。市川拓司の名前が鮎川賞二次予選のメンバーにあって意外でした。もともとは本格畑の人だったのでしょうか。 大賞受賞者のコメントと、…
8つの完璧な殺人 (創元推理文庫) 作者:ピーター・スワンソン 東京創元社 Amazon 雪嵐の日、ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは10年ほど前、もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な殺人が登場する犯罪小説8作を選んで、ブログにリストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』、アイルズ『殺意』……。捜査官によると、そのリストの“完璧な殺人”の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人は彼のリストに従って殺しているのか? 著者のミステリーへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちた傑作長…
オックスフォード連続殺人 (扶桑社BOOKSミステリー) 作者:ギジェルモ・マルティネス 扶桑社 Amazon アルゼンチンからの奨学生として、オックスフォード大学に留学した「私」は22歳。渡英したのもつかのま、下宿先の未亡人の他殺死体を発見してしまう。一緒に第一発見者となった世界的数学者セルダム教授のもとには、謎の記号が書かれた殺人予告メモが届けられていた。その後も、謎のメッセージを伴う不可能犯罪が矢継ぎ早に起こって……。知の巨人セルダムの叡智がいざなう、めくるめく論理のラビリンス。南米アルゼンチンから突如現われた、驚愕の本格ミステリーに瞠目せよ。(粗筋紹介より引用) 2003年、発表。アル…
九月四日。ダナン空港を発ち無事成田に到着。往復の航空機では読書スランプながらほかにすることもないので若山牧水の歌集と随筆を読んだというより眺めていた。なかの一首。 人の世にたのしみ多し然れども酒なしにしてなにのたのしみ これと似た、ウィスキーなしに人生はないといった文言をどこかで読んだ気がするけれど思い出せない。もう一首 酒の香の恋しき日なり常盤樹に秋のひかりをうち眺めつつ 牧水の随筆「酒の讃と苦笑」に「私は獨りして飲むことを愛する。かの宴會などといふ場合は多くたゞ酒は利用せられてゐるのみで、酒そのものを味はひ樂しむといふことは出来難い」とあった。酒は好きだが、宴会の嫌いなわたしとしてはうれし…
最近、読む本に偏りが出てきているなあと思っていました。 どうしたものかと考えていたところ、9年前に購入したブックガイドの存在を思い出した! それがこちら↓ 2014年に発行された千街晶之さんのブックガイドです。 そうだ、これをもとに、いろんな作家さんの本を読んでみればいいじゃないかー、と思いつきました。 しかし、ミステリー好きのくせに怖がりなので、エグイもの、スプラッタなもの、あまりに怖すぎて精神的に侵食されそうなものは除く😓 その条件に加えて、なるべくAmazon Unlimitedで読める作家さんのもの。 さっそく、目次をもとにAmazonを検索してみたところ…… なぜなんだ、というくらい…
昨日9月20日に彼岸を迎え、我が家の庭では、例年より遅れたとは云え、ヒガンバナがやうやく茎を伸ばして来ました。そんな中、図書館より予約した本が入庫したとの入電があって、受け取りに行って来ました。1冊目はこれ、 ミステリー評論家の千街晶之氏が、ミステリーが映画化されると、どのやうな改変が行われたのかを、細部に渡って考察されてはります。私も時々、ミステリー映画を観てて、原作と全然ちゃうやん、と思ったりします。 上に本の内容が紹介されているのですが、気になったのは、目下、某局の朝ドラで主人公の妻を演じてはる、浜辺美波嬢の出演作が2つも紹介されている事です。ひょっとしたら、千街氏、浜辺美波嬢のファンだ…