鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし)は、旗本出身で、10代将軍家治が逝去(天明6年(1786))し、田沼意次が老中を辞したころの時代の変わり目に本格的に活動を始めた絵師である。喜多川歌麿と拮抗して活躍したが、栄之の作品の多くは明治時代に海外に流出した。この度、ボストン美術館・大英博物館から里帰りして、世界初となる鳥文斎栄之展が千葉市美術館で開催された。千葉市美術館は、家から2時間以上もかかる遠い場所にあるのだが、彼の浮世絵をまとめて鑑賞できるのはこれが最初で最後の機会だろうと考えて、思い切って出かけた。千葉市美術館は、1955年に開館し、2020年にリニューアルオープンした。 エレガントな雰囲気…