以前から山宮允を取り上げなければならないと思っていたのだが、彼の主たる著作や翻訳を入手するに至らず、言及してこなかった。それらを古本屋で見出せなかったのもひとつの要因ではあるのだが。 それでも前回、山宮と川路柳虹が詩話会の提唱者で、大正時代の詩のムーブメントに大きな役割を果たしていたこと、及び山宮の主著ではないが、『英米新詩選』という英米詩の対訳本を購入したばかりなので、ここで一編を草しておきたい。その前に『日本近代文学大事典』の山宮の立項の前半を挙げてみる。 山宮允 さんぐうまこと 明治二五・四・一九~昭和四二・一・二二(1802~1967)詩人、英文学者。山形市の生れ。威一の三男。別名虚実…