帆走海軍時代の艦種のひとつ。
いわゆるガレオン船を基礎に、16世紀のアルマダ海戦で砲戦が近接戦に優位を示したことを淵源として生まれた。
名前の通り、戦列(単縦陣)を構成して、同じく戦列艦で構成された敵艦隊と砲火を交えるための艦である。このため、大砲(当時のものは青銅製の前装式)を60〜100門以上も、2〜3層の全通甲板(砲甲板)に搭載していた。
木造ではあったが、大型艦であり、当然に厚い木材で船体は作られていた。よって、戦列艦は他の戦列艦の巨砲を受けても一撃で沈むなんてことは起きない(当時の砲は炸裂しない丸弾を撃ってたので)。だが、戦列艦以外の船はそのようには造られていなかった。戦列艦の片舷斉射をまともに浴びた場合、戦列艦以外(つまりフリゲート以下)の船は構造材を簡単に貫通されてしまうことになる。当時の海戦でも、戦列艦同士が戦っている場合、それらの小型艦はかかわらない(海戦に参加しない)ことになっていた。要約すると、戦列艦は基本的に他の戦列艦以外の船には負けないだけの戦闘力を持っていた。その代償に大量の乗組員を必要としていた。