1944年東京都生まれ。大阪外国語大学イスパニア語学科卒業、神戸市外国語大学大学院修士課程修了。 1989年大阪外国語大学教授。2007年大阪大学との統合により大阪大学大学院人間科学研究科グローバル人間学専攻(地域研究講座)教授。専攻はラテンアメリカ植民地時代史。 2008年第12回会田由賞受賞。 著書、訳書多数。
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人と海(1861年版) シャルル・ボードレール/平岡公彦訳 自由人よ、いつでもおまえは海を愛おしむだろう! 海はおまえの鏡。おまえは無限に繰り広げられる 波濤の刃のなかに、おまえの魂を見つめるだろう。 おまえの精神には、海にも劣らぬ苦汁の淵がある。 おまえは喜んでおまえの鏡像の胸中に身を投じる。 おまえはそれを眼と腕で抱きしめる。そして時に おまえの心は、自身のざわつきをまぎらせもする。 飼い馴らしえぬ野生の苦悶の声が立ち騒ぐなかに。 おまえたちには二人とも闇があり、口も堅くなる。 人よ、おまえの深淵の底を測深しえた者はいない。 おお、海よ、おまえの内奥の富を知る者もいない。 それほどに、おま…
インディアスの破壊についての簡潔な報告 (岩波文庫) ラス・カサス (著)染田 秀藤 (翻訳) キリスト教と文明の名の下に新世界へ馬を駆って乗込んだ征服者=スペイン人たち。1542年に書かれたこの『簡潔な報告』は、搾取とインディオ殺戮が日常化している植民地の実態を暴露し、西欧による地理上の諸発見の内実を告発するとともに、この告発によって当時の西欧におけるユマニスト精神潮流の存在を証している。(本書紹介文より抜粋) 人類の歴史は戦争と搾取と差別の歴史でもある。本書は宣教師によって書かれた、16世紀のラテンアメリカの搾取と破壊、殺戮などの告発であり、報告でもある。スペイン批判の為に政治的に利用され…