「書物学」25号『古典籍の文献学ー鶴見大学図書館の蒐書を巡る』(2024/3 勉誠社)という1冊が出ました。鶴見大学(総持学園)創立百周年記念事業の一環だそうです。鶴見大学図書館の蔵書の豪華さは有名ですが、目の利く専門家がいるからこそ出来るコレクションー古筆断簡や経典など、貴重でもあり、鑑定が難しくもある資料が多いことが特徴です。本誌の目次を見てもそれが分かります。 本誌は1物語と歌書 2仏書・漢籍・洋学・アーカイブの2部構成で、私は平藤幸さんの「『平家物語』長門切」と石澤一志さんの「十三代集とその周辺」を興深く読みました。長門切を最初に蒐集し始めたのは鶴見大学で、私も40年近く前、岩佐美代子…