日本での “妖精” 人気 『ローマの休日』は、ロマンチック・コメディのスタンダードとして60年以上経った今でも人気が高く、たびたびリバイバル上映やテレビ放送が繰り返されている有名な作品だ。 監督は名匠ウイリアム・ワイラー、主役の新聞記者にグレゴリー・ペック。だが『ローマの休日』と言えばやはり、この映画で世界を魅了した当時24歳のオードリー・ヘプバーンだろう。オードリーは気品と愛らしさを持ち、細身で純真なイメージから “妖精” と呼ばれるようになった。 『ローマの休日』が1953年にアメリカで公開されると、オードリーはたちまち世間の注目を浴びる。日本人が彼女のことを知るのは『キネマ旬報』54年新…