小学何年生の時か忘れたが、一度遠足で林泉寺を訪れたことがある。それは兎も角、「春日山」、「林泉寺」とはどんな名前なのか。かつて寺は修行の場として山中を選んで建立された。「…山」は「山号」と呼ばれ、中国で寺の所在を示すためにその寺のある山名を冠したのが始まり。だが、飛鳥・奈良時代の寺は主に平地に造られたので山号がなかった。平安時代に山上につくられた寺は「比叡山寺」、「高野山寺」など山の名をそのまま用いた。 中国の禅宗の代表的寺院に「五山十刹」の制が定められ、それが禅宗とともにわが国に伝えられると、「巨福山建長寺」のように寺名の上に山号が付けられるようになり、山名は鎌倉五山・京都五山などから選ばれ…