石見銀山東方の宿場町。森林資源の豊富な石見国邑智郡や出雲国と石見銀山を結ぶ道筋の要地にあった。銀山の最盛期は荻原千軒ともいわれる栄えた町場であったという。 荻原千軒 明治初期の地引絵図からの復原 参考文献 荻原千軒 荻原は石見銀山の灰吹銀輸送路における最初の宿場として知られた。江戸期、石見銀山の灰吹銀が大森から大坂御銀蔵に納められるとき、輸送の本陣が堂原(荻原の旧名)に置かれ、堂原は荻原千軒といわれるほど栄えたという(『石見八重葎』*1)。 また正徳五年(1715)、年貢の減免が認められた村々のリストである「村々定引ヶ之事」が作成されているが、その中に荻原村がある。土地条件の悪さを理由として減…