“年経(ふ)とも 越の白山 忘れずは かしらの雪を あわれとも見よ” ---藤原顕輔(1090-1155) from 新古今和歌集・神祇歌(1912) この歌の作者は院政の創始者にして権力の絶頂を極めたとも言われる白河上皇の近臣として羽振りを利かせていた(でも途中で失脚→白河上皇の死後に復活)人物。 詞書には「加賀守として現地に赴任した際に白山宮をお参りしたのを思い出しながら日吉大社の白山宮にて詠んだ」とあります。 歌意は「以前白山宮をお参りしてからずいぶんと年を経た今もこうして白山の社にお参りにやってきました。もし白山の神さまがわたしをお忘れでないのなら、この白髪頭になったわたしを哀れとお思…