阿片試食官/児島克弘 著者あとがきで「わたしは日本人ではあるが、日台いずれにもかたよらず、第三者の視点で双方の本音をぶつけようと考えていた」と述べている 阿片試食官より引用 大正13年の阿片会議は白熱化した。会議の席上、英国は日本の満州における阿片密造、密売の手口をあばき攻撃する。対して賀来代表は、台湾阿片漸減策のせ成功例を系統だてて説明し、阿片追放に熱意を示す日本が、満州に阿片を密売させるはずもなく、事実に反する誹謗だと反論する。満州における阿片の実情を承知しない参加国(日英仏中印、オランダ、シャム、ポルトガル。国際連盟に参加していないアメリカは不参加)は英国の主張より日本代表賀来の熱弁を首…