「矢じるしの先っぽの国、コロボックル小国」にある「せいたかさん」の家に、みんなの世話役になったヒイラギノヒコが招かれてやってきます。 「手紙には、ききたいことがあるって書いてあったけど、いったいなんだい。」「むかし、きみたちが飼っていたという、小さないぬのことで、くわしい話が知りたいんだ。」 豆つぶほどの小さないぬ、伝説のマメイヌ=ユビギツネの、人間とコロボックル双方の社会に残る言い伝えを確認しようとしているのです。 でも今回の物語の主人公はこの二人ではありません。同席を許されていたコロボックルの若者、クリノヒコ=風の子です。古い言い伝えの話を聞きながら風の子は、自分の幼い頃の奇妙な経験を思い…