難太平記は今川貞世(出家後の名は今川了俊)が応永9年(1402年)頃に完成させた書物で今川氏の歴史と足利氏の歴史などが主要な内容で、子孫に宛てて書かれている(※基本的に門外不出が建前)。
書名は後世につけられたと考えられており、著述時点では名称はなかったと考えられる。書名の由来は、この書物の前半部分が『太平記』が今川家を軽んじていると難じている(太平記に難くせをつける)ことからこの名称になったと思われる。
後半部分については、貞世が実地に経験した南北朝時代の後半から室町時代の初期の出来事が記されている。