雪解け水が瀬音をたてて流れ出し、清々しい空気の中に陽は巡り、月が上る。 「清明」。なんて美しい言葉でしょう。 「 清明 清明時節雨紛々 路上行人欲絶魂 借問酒家何処在 牧童遙指杏花村 」 毎年、お決まりのように杜牧(803~852年)のこの詩を掲載して申し訳ありません。 年を経るごとに、それまでは分からなかった感慨を見つけることができるところが漢詩の魅力です。 一行目の「雨紛々」。清明節に雨が多いのは、今だけじゃなかったのですね。晩唐に生きた杜牧が見たのは、雨の中で杏の花が遠くに霞んでいる景色です。その絵を思い描くだけで心が鎮まる思いがします。 枝垂れ柳が芽を吹き出しています。 「柳緑花紅」と…