神話上、ニニギは、天孫降臨つまり外部からやってきた存在だが、神武天皇は、そうではない。 神武天皇の母親は、豊玉彦の娘の玉依姫であり、祖母は、豊玉彦の娘の豊玉姫、曾祖母は、コノハナサクヤヒメと、女系を通じて海人が三代に渡って続いているし、神武の父親のウガヤフキアエズも、豊玉姫の息子で祖母がコノハナサクヤヒメで、二代わたって女系に海人族が関わっている。 神武天皇の物語を作った人たちは、この国を最初に治めた王に、縄文時代から存在していた海人族の血がしっかりと流れ込んでいるという前提を崩していない。 第26代継体天皇もまた、海人族の安曇氏の拠点である安曇川が琵琶湖に流れ込む近江高島出身で、継体天皇が築…