警察官僚、歴史家、警察大学校教授.1961年広島県生まれ。東京大学経済学部卒業。国家公務員上級職に採用。愛知県警察本部警備部長、四国管区警察局首席監察官のほか、外務省情報調査局、内閣官房内閣安全保障室に出向。1994年、フルブライト奨学生として米国ダートマス大学MBA。2012年「組織不祥事に関する理論的・実証的研究 経営学的視点からの考察」で千葉商科大学博士(政策研究)。警察大学校教授。危機管理システム研究学会常任理事、失敗学会理事。
amazonの紙版へのリンクはこちら=>https://amzn.to/3tSxgBa amazonのkindle版へのリンクはこちら=>https://amzn.to/3vuBtvv もくじはこちら ■幻の「蝦夷共和国」 樋口晴彦 榎本武揚という人物は不思議と興味がひかれる。 私の榎本武揚に関する知識は次の通りだった。おそらく一般の人も同じようなものだろう。 戊辰戦争を旧幕府側で戦う。江戸城無血開城が成立すると勝海舟の制止を振り切り旧幕府軍艦隊を率いて蝦夷地へ向かい、「蝦夷共和国」として独立し、一部の国から承認された。当時の列強と交渉するだけの知識と交渉力がある人物だった。 だが、頼みの「開…
多くの企業が凝りもせずに「不祥事」を繰り返しています。 「再発防止」などということが言われますが、同じ場所で繰り返されることも多く、またそれを教訓に他社が襟を正したなどと言うことはまず無いようです。 本書著者は警察庁入省後、様々な危機管理や企業不祥事などを検討してきたそうで、そういった不祥事の中から13の事件を取り上げそのメカニズムに迫ってみようというものです。 「生かせなかった教訓」と題した章では、アクリフーズの農薬混入事件やNHK職員のインサイダー取引事件など。 「従業員が不正を犯すとき」では、メルシャン水産飼料事業部の循環取引事件、ベネッセの顧客情報漏洩事件など。 「ガバナンスの機能不全…