●歌は、「鹿背の山木立を茂み朝さらず来鳴き響もすうぐひすの声」である。 京都府木津川市鹿背山東大平万葉歌碑(田辺福麻呂) 20240123撮影 ●鹿背山歌碑は、京都府木津川市鹿背山東大平にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「讃久迩新京歌二首幷短歌」<久邇の新京を讃(ほ)むる歌二首 幷(あは)せて短歌>である。一〇五〇歌(長歌)と反歌二首、一〇五三歌(長歌)と反歌五首の歌群である。この歌は第二群の反歌の四首目である。 第二群の長歌からみてみよう。 ◆吾皇 神乃命乃 高所知 布當乃宮者 百樹成 山者木高之 落多藝都 湍音毛清之 鸎乃 来鳴春部者 巌者 山下耀 錦成 花咲乎呼里 左壮鹿乃 妻呼秋者…