前回の『四季』は『日本近代文学大事典』第五巻「新聞・雑誌」に一ページに及ぶ解題があり、「『コギト』とともに昭和十年代の抒情詩復興の気運の中枢として重きをなした同人雑誌」とされている。 そこでは戦後の第三次、四次までの言及をみているし、ここでは前回を補足することになってしまうが、続けて昭和九年から十九年にかけての第二次をたどってみる。『四季』の第一次、二次は近代文学館から復刻版が出されているが、これらは入手に至っていない。その代わりということにはならないけれど、昭和四十三年に冬至書房が「近代文芸復刻叢刊」として刊行した『「四季」追悼号』全四冊は手元にある。それは前回既述したように、昭和五十二年の…