イギリス・オックスフォード大学所属の研究者が2003年に書いた政治哲学の入門書。章立てを見ればわかるように、政治哲学の大問題をわかりやすく解説したもの。日本で政治哲学の入門書を書くと、ソクラテス、プラトン、アリストテレスからカントやヘーゲルを経て20世紀の思想家をたくさん紹介することになるが、ここではホッブスとミル(まれにジョン・ロックとルソー)が顔をだすくらい。自国の哲学者や思想家を俎上にあげるだけで、政治哲学の本ができてしまう。この国のデモクラシーの歴史の厚み(実践と理論)があるからだね。他国の哲学者や思想家を知らなくても済むので、イギリスでは高校や大学のテキストに使われたのだろう。(それ…