序文・夏の季語満載 堀口尚次 山口素堂(そどう)〈寛永19年 - 享保元年〉は、江戸時代前期の俳人である。本名は信章。幼名は重五郎、通称は勘〈官〉兵衛、あるいは市右衛門。字は子普、公商。 生まれは甲斐国巨摩郡上教来石村〈現・北社市、旧北巨摩郡白州町〉で、父は山口の郷士山口市右衛門の長子として生まれたといわれるが、生地は元禄8年に甲斐を旅した『甲山紀行』によれば甲斐は亡妻の生地と記されており異説もある。家業として甲府魚町で酒造業を営む家庭に生まれ、幼少時に甲府へ移る。 20歳頃に家業の酒造業を弟に譲り江戸に出て林鵞峰(がほう)〈江戸時代前期の儒学者〉に漢学を学び、一時は仕官もしている。俳諧は寛文…