今年初の遠征は京都。南座の花形歌舞伎を観劇した。以前から観たい観たいと思っていた公演なのだが都合がつかず、今回初めて観劇出来たのが喜ばしい。令和の歌舞伎界を牽引して行くであろう、いや牽引して貰わなければならない若手花形三人の揃い踏み。しかも上方系の壱太郎はともかく、右近・隼人にとっては挑戦とも思える上方狂言。現在上方系の立役の役者で主役を張れる優は名人松嶋屋以下、鴈治郎・愛之助と来て、その後が中々続いていない。松嶋屋に心酔している幸四郎が上方狂言に意欲を見せているが、この世代の若手が上方狂言に挑む意欲があるのは、素晴らしい事であると思う。 まず最初は「乍憚手引き口上」。筆者が観劇した日は隼人で…