私の武道観は基本的に講道館柔道創始者・嘉納治五郎先生のそれに準じている、と言ってほぼ差し支えないと思う。武術と武道は違う、という言葉を時々聞くが、私にとっては武道とは、あくまでも武術技法を土台にしてそこに体育性と精神修養を明確に織り込んだ身心学道である、と捉えている。 嘉納先生の柔道観については、専門家の手になるものがあるので引用します(藤堂良明『嘉納治五郎の柔道観 その1 』- 仙台大学紀要 第18集 所収)。 (以下、引用開始) まず、従来の柔術と講道館柔道との修行目的の違いについて、嘉納師範は「柔術の元来の目的は勝負の法を練習することであった。そして勝負の法には種々仕方があり、或る流儀で…