社会福祉学者、同志社大学教授。1955年10月19日兵庫県生まれ。1978年関西学院大学社会学部卒業。80年大学院社会学修士課程修了、1982年トロント大学ソーシャルワーク大学院修士(MSW)課程修了。85年同博士後期課程単位修得、94年同課程修了、Ph.D.。1986年関西学院大学社会学部専任講師、助教授、教授。2001年同志社大学文学部教授、社会学部教授。専門は福祉防災学、家族研究、市民社会論。
被災者受け入れに向け、避難所の設営を進める自治体職員=2024年1月13日、石川県白山市の体育館で(写真:毎日新聞社/アフロ) 能登半島地震から3カ月。今回、奥能登では、避難所へ行くことを諦めて、半壊した自宅にとどまったろう者がいた。高齢者・障害者の避難支援が制度化されてきているが、見落とされがちなのが、「普段は福祉サービスを利用していない障害者」である。平時には、さまざまな生活上の工夫や当事者コミュニティーの助けで問題なく生活できているが、いざ災害が起きると、それが機能しなくなる。困った状態に置かれても、代わりに手をあげてくれる人はおらず、避難所コミュニティーにも入りづらい。結局、半壊した自…