中世期の中国で華南(江南)地域に勃興した六つの王朝の称。三国時代の呉、西晋滅亡後に建康に都した東晋と、南朝の四朝(宋・斉・梁・陳)を合わせた呼び名。 五胡の支配した北朝領域とことなり、漢民族の支配が維持された。社会制度的には貴族が強大で皇帝権限は比較的弱かった。このため貴族文化が繁栄、特に書画はこの時代に大いに発展して後代にも影響を与えている。
中国名文選 (岩波新書 新赤版 1113)作者:興膳 宏岩波書店Amazon数日前に興膳宏*1『中国名文選』を読み始めたのだが、著者が昨年の10月に他界されていたことに気づいた。 『東京新聞』曰く、 興膳宏さん死去 京都大名誉教授、中国文学理論 2023年10月26日 07時40分 興膳宏さん(こうぜん・ひろし=京都大名誉教授、中国文学理論)16日死去、86歳。福岡市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。 中国の六朝期の文学などを研究。13年に日本学士院賞。日仏東洋学会会長、京都国立博物館館長を歴任した。文化功労者。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/2860…
物語 江南の歴史-もうひとつの中国史 (中公新書 2780)作者:岡本 隆司中央公論新社Amazon Kindle版もあります。物語 江南の歴史 もうひとつの中国史 (中公新書)作者:岡本隆司中央公論新社Amazon 「中国」は古来、大陸に君臨した北方「中原」と経済文化を担った南方「江南」が分立、対峙してきた。湿潤温暖な長江流域で稲作が広がり、楚・呉・越の争覇から、蜀の開発、六朝の繁華、唐・宋の発展、明の興亡、革命の有為転変へと、江南は多彩な中国史を形成する。北から蔑まれた辺境は、いかにして東ユーラシア全域に冠絶した経済文化圏を築いたのか。中国五千年の歴史を江南の視座から描きなおす。 僕はNH…
主に六朝、北朝も扱う。地方行政について書いてる。劉宋の時代から貴族層に代わって寒門の武人が台頭してきて、陳で大量に出頭するらしい。あまり面白くなかった。
漢字にはいろいろな謎があります。 その三つについて、詳しく調べていきます。 著者の笹原さんは日本語学者で、文科省の文化審議会の委員も務めたという方ですが、漢字の問題はかなり不思議なものを含んでいると感じています。 その三つというのは、 JIS漢字というものがあるが、その中にはほとんど使うこともない漢字が含まれているがそれはなぜか。 歌舞伎役者の市川海老蔵の先祖で江戸時代の蝦蔵、團十郎のそれぞれの漢字について、巷間様々な話が流布しているが本当かどうか。 そして学校での漢字書き取りの採点でほんの些細な間違いまで✖にすることがあるとして問題になることがあるが、そもそも漢字の正しさというものはどうなの…
以前、『論語』の有名な一節「子在川上、曰、逝者如斯夫、不舍晝夜」(子川上に在り、曰く、逝く者は斯くの如きか、昼夜を舎かず)の解釈について、このブログでまとめたことがあります。 『論語』の「川上の嘆」の二つの解釈 - 達而録 要約すると、「川上の嘆」には二種類の解釈があるということを書いています。 一つ目は悲観的な解釈で、「あらゆるものは移ろい、変化していずれは失われる」という悲しみや儚さを川の流れで表現したものとするものです。鄭玄や『論語義疏』、六朝の詩文、また現代の多くの日本語翻訳はこの解釈を採ります。 二つ目は(ある意味で)楽観的・積極的な解釈で、川の流れから、本源があってこんこんと流れだ…
雪の結晶が綺麗だったので息子と鑑賞した❄️☃️❄️ pic.twitter.com/eo9VHdJmjx— さな@2Y👦🏻 (@tsuyoiko_papiko) 2023年12月31日 私が雪の結晶に興味をもったのは、高校受験の勉強をしていたときに、肉眼でも意外と見えるのだという短文を読んでからです。その年の冬はたまたま関東地方にも寒波がやってきて、受験の帰り道にマフラーについた雪片は、解けかけで透明にはなっていたけれども、しっかりと六つの枝が識別できました。顕微鏡が要らないわけですから、雪の結晶の観察は前近代から始まっています。今も六角形の結晶を「六花型」といいますが、古くから中国では雪の結…
内務省社会局編『大正震災志』下, 東京, 内務省社会局, 1926年. 附録 第一篇 藝術品並に史的古物及古典籍の損害 日本橋区 菊地長四郎氏(元濱町)は、火勢の遂にいかんともすべからざる窮極に立ち至るや、新獲の蘇東坡寒食帖の一巻と、李公麟瀟湘臥圖巻、崋山于公高門圖、同湖石白猫圖の四點を携へて危難を避け、次で壁上の草坪六祖圖を取出し來たものがあって、都合五品は救ひ出されたが、其他無慮幾萬の書畫文房具典籍は挙げて祝融氏の蹂躙に委してしまった。其の細目は未だ調査の途中にあるから、今左に其の一班を録して、異日の大成に資することとする。 一敦煌石室本法華玄義一巻(…以下略) 赤坂区 大倉集古館(葵町)…
Ⅰ.歴史学 Ⅱ.科学・技術史 はい、どうもです。 ここでは、定期テストや大学受験で出題されるであろう内容をまとめております。 今回は「中国文化③実学史」編です。それでは見ていきましょう。 Ⅰ.歴史学 (1)『春秋』・孔子の編纂といわれる魯の国の年代記・『左氏伝』『公洋伝』『穀梁伝』の3つの注釈文が残される・叙述スタイル:編年体(年代順の歴史叙述スタイル) (2)『史記』・前漢の武帝に仕えた司馬遷の作・叙述スタイル:紀伝体・紀伝体:皇帝の事績(本紀)と臣下の記録(列伝)、年表(表)、諸制度(志)を中心に編纂 (3)『漢書』・班固が編纂した前漢一代の史書・叙述スタイル:紀伝体 (4)『資治通鑑』・…
好久不见!我是ぽちくら 今回も中国江蘇省編です これを書ききらないと年を越せない!!! ▼前回の様子です pochikura.hatenadiary.com 4日目です ついに公式のプログラムに参加させていただくスケジュールです! ようやく派遣事業らしくなってきましたよ😌 中日地方民間友好組織交流大会閉会式 镇江醋文化博物馆(鎮江酢文化博物館) 西津渡历史文化街区(西津渡歴史文化街区) 鎮江市散策 中日地方民間友好組織交流大会閉会式 国境を越えた民間の草の根交流は大事ですね🤝 実は8月に開会式が石川県で開催されていて、その閉会式にお呼ばれされたのです お堅い話だけではなく、歌やダンスなどで盛り…
数日前に本を買った。岡本隆司『物語 江南の歴史 もうひとつの中国史』中公新書、2023物語 江南の歴史-もうひとつの中国史 (中公新書 2780)作者:岡本 隆司中央公論新社Amazon佐藤俊樹『社会学の新地平――ウェーバーからルーマンへ』岩波新書、2023社会学の新地平──ウェーバーからルーマンへ (岩波新書 新赤版 1994)作者:佐藤 俊樹岩波書店Amazon平田オリザ『100分de名著 中江兆民『三酔人経綸問答』 話し合い、共に変わる』NHK出版、2023中江兆民 『三酔人経綸問答』 2023年12月 (NHKテキスト)作者:平田 オリザNHK出版Amazon森田真生『計算する生命』新…
文字霊日記・3390日目 鏡の裏を視る女・・・「鏡の王女」・・・鎌足の正妻? 443年 干支 癸未 日本 允恭天皇32年 皇紀1103年 中国 宋 元嘉20年 北魏 太平真君4年 北涼 承平元年 朝鮮 高句麗 長寿王31年 百済 毗有王17年 新羅 訥祇王27年 503年 干支 癸未 日本 武烈天皇5年 皇紀1163年 中国 梁 天監2年 北魏 景明4年 朝鮮 高句麗 文咨明王13年 百済 武寧王3年 新羅 智証王4年 563年 干支 癸未 日本 欽明天皇24年 皇紀1223年 中国 陳 天嘉4年 後梁 天保2年 北斉 河清2年 北周 保定3年 朝鮮 高句麗 平原王5年 百済 威徳王10年 新…
■うめ■ 「万葉植物園 植物ガイド105」(袖ケ浦市郷土博物館発行)より引用させていただきました。 ●歌は、「我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも」である。 千葉県袖ケ浦市下新田 袖ヶ浦公園万葉植物園万葉歌碑(プレート)(大伴旅人) 20230926撮影 ●歌碑(プレート)は、千葉県袖ケ浦市下新田 袖ヶ浦公園万葉植物園にある。 ●歌をみていこう。 ◆和何則能尓 宇米能波奈知流 比佐可多能 阿米欲里由吉能 那何列久流加母 [主人] (大伴旅人 巻八 八二二) ≪書き下し≫我(わ)が園(その)に梅の花散るひさかたの天(あめ)より雪の流れ来(く)るかも 主人 (訳)この我らの園に梅の花…
近頃よく聞く音楽 急に寒くなったので、聞く音楽が下の YouTube 音楽集の秋の音楽から冬の音楽に移りました。秋の音楽は悲しい内容が多いのに、冬の音楽は明るいのが多いのが面白いです。秋が悲しいのは支那では六朝時代の発明と言われますが、いつ広まった概念なのか謎です。 このシリーズは、少しローファイ気味の音がいい感じです。良すぎず悪すぎず、ちょうどよい塩梅です www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com www.youtube.com この流れがいい 9. A Marshmallow World- Frank Sinatra and Dean …
梶山古墳で「お魚」を見た後は、県道の向かい側にある、岡益の石堂を訪ねてみました。 駐車場脇にあった”岡益石堂の森”案内図。石仏の森も気になりますね。 その横に石堂(いしんどう)の解説。壇ノ浦で入水した安徳天皇(1178~1185)の御陵参考地ではありますが、築造年代は7世紀頃なので500年ほど差が… 岡益の石堂(おかますのいしんどう:安徳天皇御陵参考地)6m四方の基壇の上に厚さ40㎝前後の壁石でかこった石室が造られ、石室の中央に柱礎があり、その上にエンタシス(胴張り)のある円柱が建っている。この上にマス形をした中台が2個のっている。中台の下の方には忍冬唐草文(にんどうからくさもん)が浮彫されて…
hirodaichutetu.hatenablog.com 前回の記事☝では ① 類書の編纂は前代の類書を底本に編纂される。 ② ①を踏まえると『日本書紀』編纂における『修文殿御覧』利用説が浮上する。 ことなどを述べました。 今回は、 ⑴ 「神代上」以外に見える『修文殿御覧』利用の痕跡 ⑵ 第三の説『華林遍略』利用説 について考えていきたいと思います。 それでは、早速⑴を、武烈紀を例に見てみたいと思います。 刳孕婦之腹而觀其胎。(武烈紀、秋九月) これは武烈帝が妊婦の腹を切り裂き胎児を見た、という武烈帝の暴虐ぶりを示す一節です。『芸文類聚』には該当する条文が見当たらないのですが、『太平御覧』巻…