ウクライナの戦争を特集した岩波の『世界』の臨時増刊号を読んでいます。短期間によくぞこれだけの陣容をそろえたなあと感心します。確たる情報が十分にあるとは言えない中で、この執筆陣には、断言することを躊躇し留保したいと思いつつ、それでも何かを伝えなければという思いに駆られて執筆・発言している人が多いと感じられます。なかでも、この3月3日に解散が伝えられたロシアの独立系放送局「モスクワのこだま( Э́хо Москвы́)」の政治コメンテーターを務めていたエカテリーナ・シュリマン氏の講演は、氏のおかれていた状況を思うと胸に迫るものがあります。訳者の奈倉有里さんも、こうしたなかで、たびたびロシアやウクラ…