放蕩の果て ――自叙伝的批評集 福田和也 著 「言葉はどこからもやって来ず、私は言葉を探し、追いかけている」食って飲んで酔っ払い、月に三百枚もの原稿を書いた批評家・福田和也氏は、現在62歳。病に蝕まれ、食べられなくなり、ついに言葉も遠ざかってしまったと打ち明けます。「遊びほうけていた高校生の時から今日にいたる、自分の来し方を思い返した。今、自分を支えているものは何かと考えた」(あとがき)と、これまで耽溺してきた文学、演劇、映画、美術、音楽、酒、料理、旅の記憶を回想しながら、友人や師、両親との交流を自叙伝的に描いたのが本書です。「日本史探訪」、『仁義なき戦い』、三島由紀夫『わが友ヒットラー』、つ…