10年ほど前に古本屋で買った3冊の量子力学の本の想い出と感想です。 1冊は量子デバイスへの応用を念頭においた量子力学の教科書。「通常の量子力学の教科書は原子物理や原子核物理学を題材にしており、量子(ナノ)デバイスへの応用を考えると不満が残る構成」、というようなことが書いてある。これは、私自身感じていることであった。 たとえば、1、2次元のポテンシャル問題、井戸型ポテンシャルなどをシュレーディンガー方程式の練習問題としてやるが、その物理的リアリティは何だろう。今や、そのようなポテンシャルが量子デバイスとして作られ、その様々の特性が生かされようとしている、ということではないか? この教科書はそうい…