何故か好きな作家の一人ですと言えないままこっそり?読んでいた小説の数々。講演会まで出かけて目を瞬く癖を目の当たりにして胸がいっぱいになった日。何かの拍子に誕生日の月日がいっしょだと知った時の嬉しさ。亡くなったのを知った時、何故か愚かにも人ってやはり亡くなるんだってぼんやり思ったこと。そして夫婦没後の刊行を条件として遺した作品を読んで・・ 石原慎太郎『「私」という男の生涯』を読んだとき、私は深い尊敬と期待を抱いてページをめくった。文学者として、政治家として、そして思想家としての彼の言葉に触れることは、私にとって知的な刺激であり、人生の指針のようなものだった。 しかし、読み進めるうちに、放蕩や女性…