台湾に「冰果室」(ピングォスー)という飲食店がある。ほかに、「冰菓室」、「冰果店」、「冰菓店」という表記もあるらしい。狭義には「かき氷屋」だが、冬に軽食も出す。喫茶店など台北のような大都市のホテルにしかなかった時代、このかき氷屋は喫茶店の役割りも果たしていたらしいといった情報は、『台湾レトロ氷菓店』(ハリー・チェン、中村加代子訳、グラフィック社、2019)で知った。著者は台北生まれのCDデザイナーで、喫茶店関連の著作があるが日本語への翻訳はこの本だけ。 古い建物をリフォームした「レトロ・モダン」の店ではなく、60年から90年くらいはたっていそうな建物をそのまま使っている店で、わざわざ「おしゃれ…