写真の撮影技法のひとつ。
人間の目は、両眼での立体感や経験からくる補正が加わって脳が認識する。そのため、例えば、垂直な電信柱は遠かろうが近かろうが垂直に見える。カメラでの撮影では、一つのレンズからフィルムやCCDに結像するため、時として垂直なものや水平なものが斜めに写る現象が起こる。
通常のレンズはフィルム面の中央から垂直に延ばした位置に平行に設けられているが、これを左右、上下に移動、あるいは傾けて撮影することにより、一般のカメラと違った写りが得られる。
建築物の完成写真など、上の方がすぼんだりすることを避けて、垂直に写す必要がある場合などに多用される。主に中伴から大判カメラで用いられる。
デジタルカメラや35mmフィルム一眼レフに用いる「レンズベビー」という商品は、チルトというレンズをフィルムに対して傾けて使うための簡易なあおり撮影用のレンズの一種ともいえる。