上林暁の未発表原稿を集めた『ツェッペリン飛行船と黙想』という書物をめぐっては遺族と出版社の間で裁判になり、暁の娘の子(孫)が作成したブログにその経緯が書かれている。 過去の記事を遡って読んでみたが、時系列を整理すると以下のようになる。(敬称略) 2007年8月、幻戯書房(当時は有限会社)が、暁の作品6編を含む『「阿佐ヶ谷会」文学アルバム』(青柳いづみこ、川本三郎監修)を出版。同書は萩原茂(高校教諭、文学研究者)による暁の妹・徳広睦子のインタビューも掲載している。幻戯書房はこの本の出版に際して著作権継承者である暁の子らに連絡を取らなかったという。 2009年11月、前述の萩原茂と「上林暁との対話…