吉行淳之介全集〈第1巻〉全短篇1作者:吉行 淳之介新潮社Amazon 花の小説家 吉行淳之介について、このブログでも何度か書いているが、彼の作品について書くのは、今回が初めてである。彼について言えば、私の中で或るイメージが先行している。NHKの連続テレビ小説『あぐり』(1997年)である。 左記のドラマは、美容師の「あぐり」を主人公にして、「望月」一家の影像を映しているが、モデルはまぎれもなく「吉行」一家である。小説家/ダダイストのエイスケと美容師のあぐりの夫婦は、大正、昭和の時代において、最先端の夫婦だった。彼らの子、淳之介(小説家)、和子(女優、随筆家)、理恵(詩人、小説家)がそれぞれ芸術…