歌舞伎座一部を観劇。平日の昼だったので入りは少し寂しい印象。しかし芝居の内容は大変充実しており、今月の中では最も素晴らしいものだった。何と云っても雀右衛門が襲名以来六年ぶりに演じる雪姫の見事なこと!先代からの当たり役であり、近年大和屋が演じておらず、福助が倒れてしまって以降は雀右衛門の独壇場とも云うべき狂言だ。梅枝を始めとする若手花形が挑んではいるが、まだまだ雀右衛門には及ばない。それを改めて印象付けるものだった。 配役は雀右衛門の雪姫、松緑の大膳、愛之助の久吉、坂東亀蔵の軍平実は正清、左近の鬼藤太、吉弥の直信、福助の慶寿院。中では愛之助・亀蔵・左近・吉弥が初役の様だ。松緑と愛之助は先月に引き…